プレイヤーインタビュー

スポーツで頑張れた労力を、仕事で頑張れないことは無い。情熱かけられるものはどんな困難でもやりきれる。

余吾 由太

株式会社ランブリッジ

代表取締役

スポーツで頑張れた労力を、仕事で頑張れないことは無い。情熱かけられるものはどんな困難でもやりきれる。

プロローグ

今回ご紹介する方は、スポーツ(チーム)の合宿や遠征の企画・手配を行っている、株式会社ランブリッジ 代表取締役の余吾さん。余吾さんご自身はもともと四国アイランドリーグで野球をプレーしていたアスリート。旅行業を始めたきっかけや、現役時代に培った経験で今仕事に活かされていることなど、アスリート必見の内容です。

現在のお仕事内容を教えて下さい。

主にスポーツ(チーム)の合宿や遠征の企画・手配を行っています。数で言うと、小さいものを含めて年に200弱くらい携わっています。今年で設立3年目になるのですが、一番北は秋田県から、南は福岡県まで関東・関西限らず日本全国、多くのチームにご利用いただいています。

他の旅行会社さんとの違いは、考え方です。他の旅行会社さんであれば、お客様ベースで提案をしています。例えば、お客様がこういうところで合宿したいとか、こういう所に行きたいというお客様の希望のもと、旅行会社が全国各地の宿泊地からからベストなものをチョイスしてお客様に提案します。でも自分達は逆で、我々が「合宿地」と呼ぶものには基準があって、そこを発掘してここはこういう良い所だからどうですかっていう提案をしています。なので、その合宿地の深いところまで提案できるんです。例えば食事の面とか練習場の場所とか、そういった合宿内容の提案までできる点が他の会社の違い、強みだと思っています。

アスリートとしてプレーをされていて、その後今のお仕事をするきっかけは何だったのでしょうか?

アイランドリーグでは19~20歳の時に1年半ほどプレーをさせてもらって、その後旅行の専門学校に行きました。当時特別な理由は無かったのですが、中学高校とアイランドリーグの遠征で色んな場所行っていて、色んな所にいけるのって楽しい、という気持ちはありました。専門学校には1年間通い、卒業後に就職したのが大阪の小さな旅行会社でした。そこは学生をターゲットにした合宿、ゼミ合宿とかを専門に営業している会社でした。代表の方が、何でもやっていいよというスタンスだったので、何でもやっていいのであれば野球を攻めようかなと。それが始まりでした。最初はみんな大学の部室周りをしていたんです。部活やグラウンドに飛び込みで営業。でも何か生産性悪いなって思って。それで僕はリーグ戦の会場に行ったんです。そしたら誰も営業に来ている人もいないし、一回行けば6チームくらいに会えるし、意思決定する人も絶対いるし。部室に行っても、先生は今授業中とかで会えないこともあるので。それに比べると絶対意思決定する人がリーグ会場にはいるので。それで6チーム中4チームくらい契約が決まりました。そんな感じで、前の会社で仕事を広げていきました。前の会社では5年間働き、その後独立して現在に至ります。

ずっとスポーツをしていて、いざ一般企業で働こうとした時、迷いや悩みはありませんでしたか?

壁に当たったわけでは無いけど悩んだことはありました。アイランドリーグを1年間やって、2年目に自分から辞めますと言いました。そしたらチームのスタッフから、お付き合いのある会社を何社か紹介されたんです。大きい会社で、ソフトボールの1部でやっている会社もあるので、そこでソフトボールしながら働かないかとも言われて。でも自分のやりたい仕事でも無くって。僕が少し人とは違う性格だったということもあってか、なんかこう自分でやりたいことを見つけたいなと思って。それでその話はお断りしたんです。

旅行会社に入る時、本当はスポーツには関わりたくないと思っていたんですよ。スポーツは自分の財産ですけど、結局コネで仕事とっても面白くないと思ったんです。だったら普通に旅行会社に入ろうと。スポーツとは離れるので全く一から始めるわけじゃないですか。実際自分はプロ野球選手にはなれなかったけど、旅行業界でそれなりに上のところに行きたいと思ったんですよ。でも、いざスポーツに携わってみると楽しかった。やっぱり自分の経験を活かして喜んでもらえるとうれしいと感じました。だったらスポーツ×旅行というのを軸にしても面白いんじゃないかと思うようになりました。

アスリート時代の経験で、今活かされていることはありますか?

やっぱり人脈ですね、間違いなく。同期や先輩後輩の縁は今に生きています。同期が学校の先生になって、高校の野球の監督になったりしていて。そういう同期から、「来月の遠征の手配をしてくれないかな?」といった相談もあります。逆に自分が「こういう学校紹介してくれないかな」とかっていう相談もして、困ったとき助けてくれます。

またアイランドリーグではプロでプレーしていた人が教えてくれて、色んな事を学ばせてもらいました。特に社会人としてのマナーについてすごくよく言われましたね。こういうこともできないと社会で通用しないよって。ある人から「目配り、気配り、心配り」という言葉を言われて、今でも心に残っています。笑 マナーに関してはすごく厳しかったです。食事のマナーや、乾杯する時どうしたら良いとか、目上の方と話す時とか、野球以外のことをアスリート時代に教えてもらったことは良かったです。

逆にやっておけばよかったのは英語、語学ですね。今ちょっとずつ勉強しようと思っています。現在仕事で海外のチームの受け入れとかもやっているので。語学ができればコミュニケーションをとれる人のパイが間違い無く増えますよね。

やりがいを感じる時どんな時ですか?また思い出に残っているお仕事はありますか?

ありきたりですけど、皆さんが喜んでいる時はやりがいを感じます。何事も、我々はきっかけを与えている立場だと考えています。毎年夏に主催の野球大会を企画しているのですがその大会には、韓国と台湾の小学生の野球チームを誘致しています。日本のチームと試合したり、レセプションパーティーをセッティングしたりと。そういった機会を通して子ども達が相手の韓国や台湾の子どもと話をしたいとか、連絡とりたいから言語や文化を勉強したいとか、そう思えてもらえたらそのきっかけを我々が与えてあげられたのかなって。他には、合宿で行った先でごはんが美味しかったから、卒業後に今度はプライベートでまたその地を訪れるとか。合宿先で出会った人にまた会いたいなとか。そういったきっかけ作りかなと思います。僕らは気づいてところでもそういうきっかけを与えているのかなって。自己満足かもしれないですけど。笑 そういう意味でこの仕事をやってよかったなとすごく思います。

一番思い出に残っているのは初めて大会をやった時です。その時はまだ私一人で会社をやっていた時で、会社を設立して1年目の時です。韓国のエージェントさんで、今も一緒にお仕事をしている方なんですけど、自分の韓国のチームを日本に行かせたいっていう話があったんです。日本で大会をやってほしい、って言われて。でも私は大会やったことないし、最初は無茶ブリだと思いました笑 でも小さいのでもいいからってなんかやってくれないかって言われて、大会をやったんです。もちろん一人じゃできることではなくて、色んな人が協力してくれました。それこそホスト校になってくれた香川県の学校は、今年大会は3回目なんですけど、また参加してくれます。実はそのチームのコーチがアイランドリーグ時代の同期で、その当時から仲良かったというのもあったんです。大会の会場となった球場も香川県で、アイランドリーグ時代にお世話になっている方が管理されているところを使用させてくれました。そういう繋がりでみんなが協力してくれましたね。主催の会社である僕が一人、っていう形で回りの皆さんが動いてくれて、また来年もきたいって言ってもらえました。6チームのリーグ戦でやったんですけど、内2チームは韓国のチーム。すごく良い大会になって、やってよかったです。今年3回目になるんですけど、継続してできている。去年台湾のチームも参加して、それも人脈でつながったチームです。

今のお仕事をする上で大事にしていることは何ですか?

お客様目線は常に意識しています。お客様目線でも色んなパターンがあって、僕らの場合は監督目線、マネージャー目線、選手目線色んなパターンがあります。マネージャー目線っていうのは最近の気づきでもあります。今のお客様は、マネージャーさんとやり取りすることがほとんどで、色々なリクエストがあります。例えば人数が多い場合、洗濯できるのか、食事は2回に分けてできるのか、とか。先日大学のラクロス部を担当していた時、こんなことまで考えるかって思ったことがあって。「合宿最終日にスクイズボトル(飲料を入れるボトル)を使いたくない。なので終日に100本のボトルを用意してほしい。」というリクエストがあったんですよ。これを聞いて自分はそこまで気が回らなかったなって思いましたね。これこそマネージャー目線ですよね。勉強になりました。

監督からのリクエストは練習内容に関することが多いです。人数が多い場合、A班がバッティング、B班がトレーニング、そのA班B班の練習場所の動線についてとか、夏は暑いから室内で練習したいとか、雨の日はどうするかなど。あとは備品の数ですかね。野球であればどういうネットが何枚あるか、バッティングマシンの台数など。備品を運ぶ為に4tトラックを借りることもあります。僕らがトラックの手配をしてそこに用具を積み込んで、チームが合宿到着と同時に間に合うように手配します。旅行業ですけど、必要に応じて運送業もやります。旅行業、運送業など全部やりますよ笑
移動や運搬だけでなく、試合のマッチメイクもしています。合宿の最終日に練習試合を地元のチームとやりたいとか、それをマッチメイクしてあげるんです。合宿に来ているチーム同士をマッチメイクしてあげたりもします。こういう点は、合宿地の軸で深くやっているからできることでもありますね。

今後の目標を教えて頂けますか?

合宿地という軸で僕らは地域に貢献できるのかなって思います。合宿でも、大会でも、こういった形で地域に貢献できる事業を継続していきたいと思っています。合宿地という軸、海外という軸、スポーツという軸、その3本の軸で展開していければいいなと。もちろん最終的には僕ら基準の理想の合宿地として、ホテルとか練習環境っていうのを持ちたいなっていうのはありますね。

今現役のアスリートの方に向けて、セカンドキャリアに関してアドバイスを頂けますか?

スポーツで頑張れた労力を、仕事で頑張れないことは無いです。僕が思っているのは、プロ野球とかJリーグでやってきた子達を見ていると、天性だったりたまたまうまくいったりしている人もいるかもしれないけれど、でもアスリートは目標設定してそれに対して自己解決できる能力を持っていると思います。アスリートはそれをできる人たちで、第一線じゃなくても、スポーツってそういうものですよね。0.01秒速く為にはどうしたらよいか、そういうことを常に考えている。そういう目標設定に対して自己解決できる力があることを知ってほしい。あと仕事は情熱かけられるかどうかが大事じゃないですか。スポーツと同じだと思います。要は仕事で売りたくないものは中々売れないけど、情熱かけられるものはどんな困難でもやりきれると思います。

企業情報

株式会社ランブリッジ

野球やソフトボール、サッカー、ラクロスを中心とした大学体育会やサークル、社会人チーム向けの合宿の企画(プランニング)は もちろん、プロ選手向けのトレーニング合宿などの企画・手配も行っております。
http://www.runbridge.jp/