一般社団法人クレバリ
代表理事 / 辻本 拳也
プロローグ
今回紹介するのは、一般社団法人クレバリ(エボルテサッカースクール)で代表理事を務める辻本 拳也さんです。2018年3月に帝京大学を卒業後すぐ、そのままサッカースクールを立ち上げた人物。就業志望者が多いスポーツ界やサッカー界ではありますが、新卒で企業に所属するのではなく、自らが立ち上げる例は稀。どのような思いで法人の立上げに至ったのか等、お話しを伺いました。
大学卒業までは、どのような歩みだったのですか?
私自身、幼稚園の頃からサッカーに取組み続けてきた中で、将来はサッカー関係の仕事に就きたいという思いが、ずっと漠然とありました。ひとつの契機としては、高校時代に授業の一環で、Jリーグチームの裏方スタッフとして携わる機会があり、そこで「サッカーを仕事にしたい」と明確に思うようになりました。大学ではスポーツ経営学を選考して勉学に励む傍ら、プレーヤーとしては社会人チームに所属。また、アルバイトではサッカースクールでの指導の他、サッカーライターとしての活動も行ない、サッカーに対して多角的に向き合ってきました。
その後にすぐにサッカースクールを立ち上げられたのですね。就活はしなかったのですか?
いえ、一般的な就職活動をしましたよ。色々な業界をリサーチした中でも「スポーツ業界」を中心に選考を受け、実際にスポーツメディアを運営する会社から、内定も頂きました。実は卒業を間近に控えた4回生の年末までは、その内定先に入社するつもりで(笑) しかしながら、アルバイトで長らく携わってきた「サッカー指導者」の魅力も捨てがたく、悩み続けた結果、サッカースクールを立ち上げる事にしました。
思い切りが凄いですね(笑) なぜ雇われでなく、ご自身で立ち上げたのですか?
もちろん様々な要因はありますが、ひとつは「様々な角度からサッカーに携わっていたい」という理由です。雇用された形式でのサッカーコーチだと「指導」が殆どになると思いますが、私は指導のみならず、あらゆる面からサッカーを伝えたいと思い、今もメディア活動を継続しています。実は、先述の内定先のご厚意もあり、新卒社員としての内定辞退後も、アルバイトして暫くの間、スポーツメディア業を担うチャンスを頂けたのです。そういったご縁も重なり、今は「サッカーを指導する」サッカースクール代表と、「サッカーを伝える」フリーライターの二刀流で頑張っています。
ぶっちゃけ、どちらが楽しいですか?
それぞれに良さがあるので、選びきれません!(笑) 最近嬉しかった事としては、東京五輪のサッカーの試合中継において、久保建英選手らの紹介文を担当させて頂きました。人生で一度あるかないかの自国開催五輪において、自分が書いた文章がテレビで日本中に放送させていた時は、応援してくれている家族も喜んでくれて、とても嬉しかったですね。
サッカースクールの方も、立上げ当初は苦しい事が続きましたが、4年目を迎えた現在は生徒数も100名近くになり、日々楽しく取組んでいます。
立上げ当初は苦難もあったのですね。
2018年4月にレッスン生2人からスタートし、最初に体験の問い合わせがきたのは同年9月でした。つまり、およそ半年間はスクールとして売上はごく僅かでした。そんなに甘くないぞと、痛感しましたね。ただ、その苦しかった期間で身についた事は、今も非常に活きています。例えば、集客で重要となるHPについては、どのような層の方々が見てくれているのか等、SEO対策やデータ分析について深く勉強した事で、新規でスクールを開校する際などにも役立っています。
どのような特徴があるスクールなのでしょうか?
「楽しみながら技術、戦術を身に付ける!」というコンセプトのもと、埼玉県を中心に、小学生を主な指導対象として取り組んでいます。個人レッスンと集団指導の2両方を行い、生徒1人1人の個性に寄り添った指導を徹底しています
本気でプロを目指したい生徒から、単純にサッカーを楽しみたい生徒まで、幅広く対応しています。ただ、共通項として「人としての成長」を助長できるスクールではありたいと思っています。サッカーって、他のスポーツと比べても、点数が入り難い特性があります。それだけ“1点”の重みがあり、ゴールという目的に向かってチームメイトと協力しながら、仲間意識を持って遂行する事が必要。そういったサッカーの特性も活かしながら、単に上手くなる、楽しむ以外にも、大事な部分の育成を意識したいと思っています。
最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。
私自身、まだまだステップアップしなければならない事ばかりですが、現状に満足する事なく、生徒に恥じぬよう、あらゆる挑戦を今後も続けていきたいと思います。サッカーを教える、伝える他、あらゆる面からサッカーの魅力を発信していければと思っています。そして、子ども向けの事業に加えて、スポーツ業界を志望する方やサッカーをはじめとする体育会学生をサポートする事業に取り組んでいきたいと思います。
読者の方々には、スポーツ業界への就業希望者もいらっしゃるかと思いますが、やりたい事があるのなら「とにかく関わってみる」という事がお薦めです。アクションを起こせば、何か起こると信じていますし、少なくとも新たな発見や良い出会いはあると思います。自身の強みを突き詰めながら、前進あるのみです。
《文:Next Connect 竹内 一平》2021年10月 執筆
関連情報
辻本拳也 (Kenya Tsujimoto)
1995年 8月 31日生
サッカーメディアを運営する会社から新卒、正社員で内定を獲得するも、サッカースクールを設立するため、非正規に契約変更する。現在はサッカースクールを運営しながら、フリーランスのライターとして、スポーツメディア「VICTORY」などで執筆。
その他にも、スポーツメディア「スポチュニティ」のアンバサダーやRCDエスパニョールジャパンアカデミー東京のアドバイザーも務めている。
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