企業インタビュー

「スポーツってこんなにすごいんだっていうのを、肌で感じ目の当りにしてきました。」

NPO法人スポーツ・ビジネス・サロン

塚田 義

「神戸スポーツ映画祭!」実行委員長

「スポーツってこんなにすごいんだっていうのを、肌で感じ目の当りにしてきました。」

プロローグ

今回ご紹介する方は、毎回多くの方が来場する人気の「神戸スポーツ映画祭!」実行委員長の塚田義さん(NPO法人スポーツ・ビジネス・サロン)です。スポーツ全般を扱った映画祭は日本で神戸だけというオンリーワンな事業を展開する塚田さんが、なぜ神戸という街を選んだのか、そして更なる今後の展望についてもお話ししてくださいました。

今のお仕事内容を教えて頂けますか?

現在「神戸スポーツ映画祭!」企画・運営を中心に行っています。
主に私が一人で中心になってやっていまして、他にもスポーツビジネスをテーマにしたセミナーや勉強会の企画・運営。スポーツをテーマにしたリーダースキルコンサルティングなども行っています。

「神戸スポーツ映画祭!」は年に1回、1月に開催しています。今まで阪神淡路大震災のことがあってそのタイミング時期にやるというのは、お祭り騒ぎをするタイミングじゃないだろ、という声もありました。でも逆にそのタイミングで街を盛り上げようと、元気づけられるようなイベントにしたいなと思っています。

スポーツのお仕事をするようになったのはいつからですか?

元々のきっかけは、前職(公益財団法人大阪市都市型産業振興センター)で、関西のプロスポーツチームと地元の中小企業とのビジネスマッチングイベントを行ったことです。前職は中小企業のサポートをしている団体で、大阪のプロバスケチームに対して、チームの課題を解決できるような提案を企業さんから出してもらうといった、そういった企画を2007年にやっていたのですが、まだまだ規模は小さかったですね。その翌年にはサッカーや野球のプロのチームにも幅が広がっていって、企業さんから提案を出して頂いたりしました。そういったことを2008年から3年間やって、当初はそんなにファンクラブやプロモーションで使えるものくらいしから出ないんだろうなと思っていたんです。でも割と結構こちらの想像を上回るような、例えばスタジアムの施設のサービスアップにつながるような提案も出てきて。そういったこともあって、スポーツビジネスって結構おもしろいなということを改めて感じまして。自分の想像以上にスポーツビジネスの視野の広さを体感できたことがきっかけです。

社内の事情もあってマッチング自体はできなくなったんですが、そこで色んなご縁があったので、その後中小企業の社長さんや部長クラスの方々向けにスポーツビジネスの勉強会をこぢんまりと始めました。それがスポビズサロンという形で、2012年の時です。それから2年後にスポビズサロンをNPO法人にしました。元々その段階ではスポーツ映画祭とか頭の中には無かったんですけど、マラソンやゴルフといった各種競技の日本での発祥の地が神戸で、しかも映画の発祥の地でもあるという歴史的価値を組み合わせたら面白いんじゃないかと思いたち、それで1年かけて準備をしていきました。

なぜ神戸を選んだのでしょうか?

生まれは新潟なんですが大学が神戸だったんです。それから神戸に馴染みがあって、神戸で何かしたいなっていう気持ちがありました。大学を卒業して新卒で入った会社が神戸の会社で、スポーツビジネスとは関係の無い会社でした。その会社ではプロサッカーチームから胸スポンサーのお話などはありましたが、当時はそんなにスポーツビジネスにがっつりというわけではありませんでした。

どういったところにスポーツビジネスの魅力を感じましたか?

その後、転職で新潟に戻ることになったんです。当時2003年は日韓W杯の翌年で、さらに地元のチームがJ1にあがるかあがらないかという、新潟でサッカーが盛り上がっている年でした。そこでスポーツビジネスをやっていたわけではなかったんですけど、たまたま入社した会社がこの地元のチームのハウスエージェンシー(専属広告代理店)だったんです。クライアントさんに“このチームを使いませんか”というように話を持っていくんですけど、でも当時は“このチームを使わせてください”っていう話が多かったんです。肌でそういう動きを見ながら、スポーツってこんなにすごいんだっていうのを目の当りにできました。

新潟のイメージって、みなさんが抱いているような雪やお米、酒とかそのくらいしか無かったんです。僕自身高校時代に新潟に住んでいて、当時新潟を出る事しか考えていませんでした。たまたま転職で新潟に戻ってきて、僕が高校時代には無かったような大きいスタジアムができていて、そこでW杯も開催して。新潟と世界がつながるなんて全くイメージが無かった。でも現実にそうなって、W杯が終ってもJリーグのチームが活躍して、まして日本代表の試合も新潟で行われて。違う新潟になったような、それくらいスポーツって街を変えるのだなと感じました。4万人も入るスタジアムが田んぼの真ん中にあるんですよ。
だから本当にスポーツが街を変えるとか、人も変えるとか、そういう経験を肌で感じてきたのが2003年からの新潟の数年間でしたね。その後2006年に大阪に戻ってきました。

新潟から大阪に戻られて、転職活動は大変でしたか?

仕事が決まるのにけっこう時間がかかりました。前の会社を辞めてから1年くらいはフリーの期間があって。その頃から起業したいなっていう気持ちがありましたが具体的な見通しはたっていなく。色んな事をしましたが心が折れそうになったこともありましたよ。自分はこのままで大丈夫なのかなって。そういう不安やプレッシャーもありましたが、恐れずにスポーツの試合なんかも見に行ってうまくリフレッシュしていました。前を向いて歩いていこうという心構えを常に意識していました。

今のお仕事でやりがいを感じる時はどんな時ですか?

やりがいはお客さんの笑顔をダイレクトに見ることができることです。これはスポーツも同じですね。笑顔という部分で言うと、前職では企業さんのマッチング業務をしていたのですが、企業さんから” 婚活でスポーツ観戦しましょう”という提案がありました。しかも昼からの野球の試合を見て、その後に万博に移動してサッカーのJリーグの試合を見て、つまり野球とサッカーの両方の試合見て。そういう提案だったのですが、実際その通りイベントとして開催されました。その1年後にこのイベントでの出会いを機に結婚された方がいらっしゃったんです。まさか自分が企画したイベントがきっかけで結婚される方がいるなんて嬉しいなと、すごく印象に残っている出来事でした。こういった話のようにスポーツ映画祭もお客さんの声がダイレクトに聞けるんです。それとスポーツ映画祭に関して言うと、神戸のイベントではあるのですが、東京や福岡、札幌など遠方から来られる方もいらっしゃるので有り難いなと思っています。

今のお仕事の魅力は何ですか?

スポーツ全般を扱った映画祭は日本で神戸だけです。神戸の歴史的な価値に根付いているところからも、オンリーワンな事業展開という醍醐味と、ゼロから立ち上げているので現在進行形で大きくなっている過程と、今後の展望・可能性に魅力を感じています。

これからの目標とは?

スポーツ映画祭に関しては今年3年目になるのですが、時代的な背景もあって大きくしていくチャンスなのかなと思っています。調べてみると世界にはイタリアに「国際スポーツ映画祭」という、40年くらい歴史のあるスポーツ映画際があるんです。ロシアでも古くからやっているスポーツ映画祭があって。そこで例えば世界三大スポーツ映画祭っていうのを作って、イタリア・ロシア・日本みたいな。そいうことができると楽しいなとも思っています。

またスポーツに限らないですが、何かと組み合わせるころで新しいものが生まれてきます。スポーツ映画祭を大きくしていく上で、スポーツと他の何かとの組み合わせもできたらいいなと思いますね。

企業情報

神戸スポーツ映画祭!
https://www.kobe-sff.com/