企業インタビュー

鞄づくりのプロとして

株式会社ヤマグチ

眞行 佑介

営業企画マネージャー

鞄づくりのプロとして

プロローグ

今回ご紹介する御方は、株式会社ヤマグチの眞行(しんぎょう)様です。
株式会社ヤマグチは、ベースボールバッグ等のスポーツバッグをはじめ、様々な鞄を生産しており、プロ野球チームや高校球児のお役立てをしておられます。
創業60年以上の経験とノウハウを活かし、競技も野球に限らず様々な種目の「包む」「運ぶ」に協力をしています。

あなたが使っていたスポーツバッグも、もしかすると株式会社ヤマグチ様が関わっていたかも知れないですね。

入社のきっかけに関して

もともと、モノづくりには興味がありました。
大学を卒業後、新卒で入社した会社に約14年間在籍した後に、現職に転身。キャリア2社目になります。
前職では「機械工具商」として工場全般の消耗品を納める仕事をしていました。分かりやすく言うと、工場で必要なドライバーや、専門的なマスク等を扱う仕事。モノづくりには欠かす事のできない工具を、様々なクライアント様に御届けしてきました。
その後、株式会社ヤマグチから話を頂き、新しい事に挑戦したいなと、一念発起したのがきっかけです。特別に鞄に関心があったかどうかは別として、「モノづくり」というワードが、私のキャリアにおいては軸となっていると思いますね。

今はどのようなお仕事をされていますか?

弊社は鞄のOEM生産として、有名スポーツメーカー様をはじめ、様々なブランドメーカーの鞄をデザイン、製造を行なっています。旅行バッグやビジネスバッグの生産もありますが、スポーツバッグがメイン。
種目も野球を中心に、ゴルフや弓矢、流行りのカーリングまで様々です。バットケース等の特殊な鞄も対応していますね。

私は企画営業マネージャーとして、SSAW(春夏秋冬)ごとにスポーツメーカー様等が新作を発売するにあたり、企画打ち合わせやデザイン提案を行なっています。もちろん、人気の既存商品の改良提案もありますよ。
新商品の発売から逆算して、およそ1年前位から話が進み始めますね。メールでは伝わりづらいデザイン内容もあるので、直接会って打ち合わせを丁寧に行なう事を心がけています。

仕事のやりがいに関して

メーカー様を通じて、全国100校を超える部活生の鞄も生産しています。鞄はデフォルトですが、学校名や生徒名を刺繍することで、オリジナルの鞄となります。甲子園で活躍する球児が、弊社製造の鞄を使って頂いているのを目にするのは嬉しいですね。

また、きちんと時代の流れを読む事も大切です。例えば、以前であれば野球部に限らず、サッカー部にせよラグビー部にせよ、エナメル式の肩掛けバッグが主流だったかと思います。そんな中、スマートフォンが学生にまで普及している現代では、両手を扱えるリュックサックタイプのニーズが高くなってきているんです。今後も、また新たなタイプの鞄が登場するかも知れません。

学生の場合は、スポーツ用具を入れる為だけでなく、学業の教科書やお弁当も持ち運ぶ必要がありますよね。且つそれを3年間ほとんど毎日お使い頂く。当然ながら丈夫に作る必要がある。ただ、色々と要望を聞きすぎると、ついつい重量オーバーやサイズが大きくなってしまう。なので、望まれてることの優先順位をきちんと整理し、鞄製造のプロとして、適格な判断をするようにしています。それが上手く形になった時は、何とも言えない達成感、やりがいを感じますね。

印象に残っていること

入社して1年が経った頃、こちらもスポーツメーカー様の依頼で、とあるプロスポーツチーム様向けファングッズとして、キャリーケースを提案するという機会が印象に残っていますね。当初は弊社のキャリーケースに限らず、他業種のグッズ提案もありましたが、複数コンペを経て、弊社の案が採用されました。
毎年どのチームに限らず、一定の会員数はファンクラブを退会してしまうそう。しかし、このプレゼント企画の甲斐あってか、その年は退会者も少なく、会員数が増えたとお聞きしています。もちろん我々以外の要因もたくさんあるかと思いますが、僅かながらにも貢献できたのは印象深い出来事でしたね。
新幹線等でそのキャリーケースを見る機会があれば、とても嬉しいです。

今後に関して

今まではスポーツグッズに関しての横展開(ゴルフのクラブケース⇒野球バットケース⇒弓矢ケース等)がありましたが、今後はスポーツを中心に幅広い業種の鞄展開も視野に入れたい。
例えば、以前にとある種目の日本代表に帯同しているトレーナー様向けの鞄を製造した事例があります。通常の鞄に比べると、圧倒的にポケットの数が多く、特殊な作りでした。テーピング等、必要なアイテムが多い為です。こういった経験やノウハウを活かして、異業種でもお役に立ちたいなと、日々わくわく想像しています。

これからも、たくさんの人々の「包む」「運ぶ」に協力をしていきます。

《文:Next Connect / 竹内 一平》

会社概要

株式会社ヤマグチ
大阪府大阪市東住吉区公園南矢田1丁目27番12号
TEL 06-6607-5155
MAIL info@yamaguchi-bag.jp
https://www.yamaguchi-bag.jp/index.html