企業インタビュー

キックボクシング事業を通じて/「社会へ恩返し」

第3代DEEPウェルター級 チャンピオン

株式会社STYLE / 代表 池本誠知

キックボクシング事業を通じて/「社会へ恩返し」

プロローグ

今回ご紹介するのは、総合格闘技団体「DEEP」ウェルター級の第3代チャンピオンの池本誠知さんです。
中学生の頃から格闘家を志し、23歳で総合格闘技のひとつ「修斗」においてアマチュア全国制覇。その後は、33歳で第3代DEEPウェルター級チャンピオンに輝く。PRIDEやK-1、DREAMなどの大舞台にも上がり37歳で現役を引退。
44歳となる現在は、キックボクシングジム「株式会社STYLE」の代表取締役をはじめ、”戦う校長“として通信制の連携校を設立する等、教育分野にも活動の場を広げている御方です。

様々なお仕事に取り組まれていますよね

現役中の32歳の時にジムを開業して以降、現在は8カ所に展開しています。中にはアスリートのセカンドキャリア支援の一環として、ジムに在籍していた格闘家達に暖簾分けをしている所もありますね。今でこそ有名な格闘家は「RIZIN」「K-1」「UFC」「ONE」等の大きなプロモーションによって活躍するチャンスもありますが、やはりそのリングに上がれるのは、ほんの一部。殆どの格闘家は、練習や試合に時間を割くために、なかなかフルタイムの一般的な正社員で働くのは、難しい環境にあると思います。しかし、いざリングに上がると、勝敗にそういった環境は関係ないですよね。2年前にSTYLE高等学院を設立し、格闘家やトレーナーの育成する中でも、人間力の育成や、社会人としても自立できる力をつけてもらうよう教育してます。

そういった色々な事業構想は、現役の時からあったのでしょうか?

いえ、そういった訳ではないですよ。ただ、転機としては33歳でDEEPウェルター級チャンピオンになった時ですね。試合前のイメージトレーニングでは、勝利して歓喜している自分がいるはずだったのですが、、、実際にベルトを獲得してもあまり喜びが湧いてこなかったんです。それでも試合後、ホテルに戻って携帯をみると、本当にたくさんの応援してくださった方々からの祝福や感謝のメッセージが届いたんです。そこで、「人を喜ばせるために何かする事が最大の喜び」という価値観に気が付きました。これは今でも「STYLEジムの御陰で、ミット打ちや運動が好きになりました!」という会員さんからの嬉しい御言葉に繋がっていると思います。

こちらのジムでは、女性や高齢者等あらゆる方がジムを利用していますね

格闘技って「痛い」「怪我をする」というイメージがあるのかもしれませんが、うちではボディメイクや健康増進のひとつとしてミット打ちをしてもらっています。
普段生活をする中でストレスは溜まるけど、そのストレスの発散方法ってそんなに多くないと思うんですよね。そんな中、うちでは思いっきりミットを蹴れますから(笑) 特に若い女性の方々は、満面の笑みでご利用頂いてますよ(笑)
また、近年は高齢者の健康寿命にもアプローチしています。ミット打ちをする事で、骨に刺激を与えたり、関節の可動域を広げたりと、健康に対して色々とメリットがあるんです。パンチのリズムで「右!左!右!次はキック!」といった風に頭を使う事で、認知症予防にも通ずると思っています。

「生涯動けるカラダづくり」として行政とも連携をされるそうですね

はい。つい先日にリリースとなったのですが、大阪市からの認定事業(大阪トップランナー育成事業)に選んでもらえました。これを機に、病院等とも一緒になって、より一層に社会貢献をしていきたいです。格闘家としての現役時代に感じた「誰かの為に頑張る」という精神が今になっても通じていますし、何か格闘技を通じて社会に恩返しできたらなと思っています。

社会への恩返しを、常に意識されていらっしゃるのですね

もちろん大きくは社会貢献を目指していますが、まずは現役時代のファンの方々からの期待を裏切りたくないんです。殆どのアスリートの場合、現役中はたくさんの人達の応援や支えがあってこそ、競技に打ち込むことができています。折角応援してもらっているファンの方々に対して、常に輝きを増した状態をお見せする事が、せめてもの恩返しになるのだと思っています。それは引退をしてからも同じ。アスリート時代は輝いていたとしても、引退後に輝きや覇気がないと、応援してくださった方々に申し訳ないと思ってしまいます。アスリートには特有の経験やリソースがあると思うので、それらを活かして現役時代よりもさらに輝きを提供する事が大切かなと。私自身もまだまだ取り組んでいきたい事があるので、応援してくださる方々と一緒に、どんどん輝きを増していければと思います。

《文:Next Connect / 竹内 一平》

関連情報

池本 誠知 / 1975年8月24日生 (大阪府出身)

修斗のリングでプロデビューをはたし、27歳より戦場をDEEPのリングに移す。
そのファイトスタイルから「スピードマスター」の異名を取り、「大阪一客を呼べる選手」として人気を博す。
32歳で総合格闘技スタジオ「STYLE」をオープン。
33歳でDEEPウェルター級チャンピオンに。
PRIDEやK-1、DREAMなどの大舞台に上がるにつれ、自身が経営するジムも盛況となる。
37歳でプロ格闘家を引退し、ジムの経営に注力するとともに、格闘家のセカンドキャリアを応援する事業をサポート。
ミスユニバースのファイナリストや関西コレクションのモデルを対象にボディメイクの指導等も行なった。
キックボクシングを通じた健康寿命へのアプローチを提唱し、大阪市からの認定事業(大阪トップランナー育成事業)にも選出されている。

株式会社STYLE https://kick-style.com//

一般社団法人日本キックボクシングフィットネス協会 http://kickfit.jp/

STYLE高等学院 http://kickfit.jp/school//