企業インタビュー

「継続すること、それが一番大事。一つ一つ着実にやっていったら、次の扉が開いていく。」

ミズノ株式会社

陳 賢太さん

グローバルフットウエアプロダクト本部
企画部

「継続すること、それが一番大事。一つ一つ着実にやっていったら、次の扉が開いていく。」

プロローグ

今回ご紹介する方は、大手スポーツメーカーのミズノ株式会社でサッカーシューズの企画を担当されている陳さん。人気の高いこの業界でどんなお仕事をされているのか、転職活動や就職活動をしている方へのアドバイス、また今後の目標についてもお話しを伺ってきました。

陳さんの今のお仕事内容を教えていただけますでしょうか?

グローバルのサッカーシューズの企画を担当しています。企画と一言で言っても幅広い業務がありますが、プロダクトのコンセプトから戦略立案、計数管理(売上・利益)、品質チェック、選手へのヒアリング、プロモーション・マーケティングプランの立案も行います。そのための市場調査や大会の視察など常にエンドユーザーのニーズを拾いに行きますよ。サッカーシューズという一つのプロダクトの、企画立案から実際に最後エンドユーザーに届くまで全ての責任者的な形で仕事をしています。

市場は世界。ヨーロッパからアジア、そして日本までグローバルのラインナップを組み立てていきます。どの地域にどういったものが最適なのか、競合他社の動きはどうか、市場トレンドを掴めているか、将来どのような市場になっていくのか、いつも未来を見据えながら、現場の動きや市場の空気感みたいなものを感じることが大事だと思っています。そのためには鮮度の高い情報がいるので、毎日のように各国のプロダクトマネージャーと情報交換をして、その国に最適なもの、ラインナップを決めていきます。

今のサッカーシューズの前はどんなお仕事をされていたんですか?

私自身、元々ずっとサッカーをプレーしていたんです。サッカーは幼稚園の頃から始めて、大学に通いながらヴィッセル神戸(現J1クラブ)で1年間プロ契約をした経験もあるんです。そして大学卒業後に新卒でミズノに入社しました。実は入社して最初の仕事がベースボールシューズの企画だったんですよ。サッカーじゃないんだ、って最初驚きました(笑)でもベースボールシューズはミズノが日本のシェアNO1で、とても重要なプロダクトです。ベースボールシューズの企画は5年間担当し、その後約2年間ベースボール事業全体のマーケティングの仕事をしました。それからアメリカのジョージア州アトランタへ駐在し、ミズノUSAでグローバルのコミュニケーションの仕事を1年間ほど担当した後、経営企画という仕事を同じくミズノUSAで約3年間、日本帰国前の最後の半年間は、オレゴン州ポートランドでランニングシューズの企画を担当しました。そして今年の3月からグローバルのサッカーシューズ担当として日本に帰ってきました。

ベースボールのお仕事をすることに抵抗は無かったですか?

入社前はサッカーに関わる仕事をしたいなと思っていました。ただ、その競技をしていたから仕事に直結するとは限らないと思うんです。私が恵まれていたのはシューズを担当できたこと。アスリート時代、足で勝負してきました。そういった意味では、競技は違うけどアスリートとシューズという関係においてはサッカーであろうがベースボールでも根本的には変わらないんです。シューズの担当になったからにはとにかく最高のベースボールシューズを世に残そう、選手に履いてもらおう、エンドユーザーに喜んでもらおうと心に決めました。

今の会社に入社しようと思ったきっかけは何ですか?

心が熱く動くような仕事がしたい、という思いで就職活動をしていました。色々な業界を見に行きましたし、色々な会社の選考も受けました。でもその中で一番心を動かされたのがミズノでした。会社の熱い気持ちは今も変わっていません。次は私が後輩達にそのミズノの熱さや可能性を伝えていきたいですね。

お仕事をする上で心がけていることや意識していることはありますか?

一番意識していることはスピード、とにかくスピード感です。仕事というのは一人で出来るものではありません。特に企画はチームでプロダクトの開発に取り組み、その先導役として重要な役割を担っています。そのチームメンバー(開発・デザイン・ソーシング・生産)の輪の中で、みんなを同じ方向へ導いていくことが、企画マンのマネジメントでは非常に大事になってきます。全てのプロセスにおいてスピード感が無ければ、後で全て滞り結局良いモノがアウトプットできなくなってしまいます。メール返信一つとってもスピード感は常に気を付けています。

印象に残っている仕事はありますか?

一つはベースボールシューズの企画をしている時のことなのですが、自分の企画したシューズが店頭に並んでいるのを見た時、お客様が購入して下さって、履いてくださっているのを見た時は本当に嬉しかったですし活力になりましたね。

もう一つ、ベースボールのマーケティングの仕事をしている時のことですね。ベースボールファン拡大を目的に、子ども達に向けて色々な施策を打っていました。その中で“親子で一つのグラブをつくりあげよう”という企画を立案し、当初1万人参加を目指して進行しておりました。企画が立ち上がってから1年ちょっとで私はアメリカに異動になってしまったのですが、その後約3年かけて目標の1万人到達することができました。親子グラブづくり企画は今も続いています、それがとにかく嬉しいですね。親子で一緒に作り上げたグラブでキャッチボールをされている方々の笑顔は今でも鮮明に覚えています。

就職活動、転職活動をしている方にアドバイスをお願いします。

まず、自分は何者なのかを棚卸しをすると良いですよ。今までどんな人生を過ごしてきたか、そして今後1年後、3年後、10年後どうなりたいかを書き出してみる。仕事も同じなんですよ。プレゼン資料や何か企画の準備をする際、いきなりパソコンに向かうのではなく手書きで全部紙に書き出してみるんです。書き出してみて、書き出しながら“こういうふうにまとめていこう”と頭の中で整理できるんです。今自分には何ができて、何ができなくて、今後どうしたいのか、何をしたいのか、キャリアデザインを描き、これかをしっかりまとめることは大事なことです。

それとよく後輩達に伝えていることがあって、持論かもしれないですが、仕事に“ラッキー”は無い。仕事はとにかく一つ一つ確実にやること、コツコツ積み重ねていくこと。その積み重ねが周りからの信頼を得ることに繋がり、大きな成果を生むと信じています。

なんでそう思ったかと言いますと、私がアスリート時代、足が速いとか身長が高い選手ではなかったのでとにかく毎日練習を一生懸命やって、とにかく負けたくないという気持ちでサッカーを続けていました。やめることはいつでも簡単にできるんですよ。でもやめない、継続すること。それが一番大事なんです。入社後のベースボールシューズ企画時代も、やっぱり一つ一つ着実にやって継続して5年間経ったら、次の扉が開いていましたね。

陳さんの他にも元アスリートの方は働いていらっしゃいますか? 一緒に働いていてアスリートならではの強みを感じたことはありますか?

元甲子園球児とかいますよ、いま私の隣の席でベースボールシューズの企画をしていますね。アスリートの強みってメンタルの部分が大きいと思います。継続する力、一つのことを頑張る力に関してアスリートは特に秀でているので、アスリートはそこを活かさないといけない。やっぱりアスリートって根性ありますからね。

でもそのメンタリティの部分って勉強でも同じじゃないですか。勉強をこれだけやったんだ、これだけ頑張ったんだというのがどこかにあれば、何か壁にぶつかったときにその経験を思い返せますし、必ず乗り越えられます。

あとはプレッシャーをある意味楽しめるのもアスリートの強みじゃないですか。

陳さんの今後の目標は何ですか?

会社としても今サッカーに力を入れていこうとしています。そのタイミングでプロダクト企画担当に任命してもらえたことは、すごく感謝していますし、同時にプレッシャーも感じています。ただ、やり抜きますよ。ミズノは日本ではしっかり認知されていますが、いざ世界を見渡すとまだまだ浸透しきれていないんです。海外で伸びるチャンスは十分にあります。だからこそ、海外で戦っていけるプロダクトを作り続けること、プロダクトを通じて価値を提供し、ミズノのストーリーを伝えていくことが私の使命です。我々には伝統のモレリア、革新のレビュラ(本田選手も着用)というプロダクトがあります。一人でも多くの人に、一足でも多く世界の人々に届けたいですね。世界のサッカーシーンがどうなっていくのかを思い描きながら、すべてのフットボーラーへ夢を与えられるようなプロダクトをこれからも作っていきます。


▼企業情報
ミズノ株式会社
http://corp.mizuno.com/jp/